黒猫ばぁばの好きなことだけ

甘味と文具とひとり言

少年時代

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今週のお題 「夏うた」

 

 

井上陽水  「少年時代」

 

 

 

 

気が付く事もなく 薄れてしまっていた

子供の頃の感覚が

とても鮮やかに思い出される

 

 

 

自分よりも 背の高い草を踏み固め

拾い集めた草木や枝で

秘密基地を作った

 

 

どこまでも 羽が生えたように走り回り

詰まるように痛む 喉の奥

 

 

夏の日差しの強さで

家に駆け込むと 

暗闇に迎えられ

目が慣れるまでの ぼんやりとした刻

 

 

夜風が涼しくなる頃

庭先で 花火を愉しみ

 

鼻にツンとくる火薬の香りと

線香花火の 繊細な煌めきを

無心で見つめる

 

 

 

あんなに 心が自由で

私だけの世界が守られていた

そんな時があっただろうか

 

 

大人になった自分を

時に慰め 時に癒し励ましてくれた

 

 

 

西に陽が沈む頃

風にのって報せる 帰りを待つ香り

 

 

天を仰ぐと 想い出し

胸が熱くなる

私の「少年時代」