黒猫ばぁばの好きなことだけ

甘味と文具とひとり言

父が背中で教えてくれたこと

今週のお題は「おとうさん」です。

 

私の父は、戦中戦後を生き抜いた

寡黙で生きる力に溢れた人でした。

 

父は職業軍人だった為、留守がちで

幼い頃からまともに会話した記憶が

ありません。

 

しかし時たま耳にする

父の生きて来た足跡を知るたび

自然と尊敬の念を抱いていました。

 

物の無い時代だったからか

食べられる野草.キノコなどに詳しく、

素材を山から採ってきて

何でも作っていましたし、

素潜りで貝や魚を捕まえたりと

 

冗談でも何でもなく

独りで山に置き去りにされても

充分に生きていける様な人なのです。

 

幼い弟妹たちを養う為に

15歳で上京して働き、

仕事のない日は 献血で日銭を稼ぐ日々

を過ごしていたそうです。

(当時は献血でお金を貰えたそうです。)

 

口数が少なく  一見すると

亭主関白の代名詞のようでしたが、

体調を崩しがちな母の代わりに

家事をする事も  度々ありました。

 

几帳面で真面目で頑固で誠実な父。

 

時に正論ばかりで  息苦しさも

ありましたが、

 

「どんな職業についたとしても

  一生懸命に努めなさい。」

 

「自分の価値を他人の評価に委ねるな。

 要は、自分が納得するまで

突き詰められるかどうかだ。」

 

「どんな状況でも

  生き抜いていけそうな男に嫁げ。」

 

父から受け取った数少ない言葉と

人として  生きる姿勢は、

今でも忘れること無く

私の遠い日の記憶と共に

人生という道程の

確かな道しるべとなって

生き続けています。